日経『経済教室』に寄稿しました(2024.9.16)
「医師の働き方改革」が注目を集めていいます。2024年4月から医師の残業時間が制限され、医師の過重労働の是正や医療の質の向上が期待されていますが、その一方で、働き手の確保が必要となった大学病院が派遣先の病院から医師を引き揚げ、地域医療に悪影響を及ぼすのではないかとも懸念されています。
実は、2004年の医師の新臨床研修制度導入の際も、同様の「医師引き揚げ」が懸念されました。筆者らは、新研修制度導入が、地域の病院勤務医数の減少、病院・病床数の減少、死亡者数の増加につながったことを示し、論文が Health Economics 誌に掲載されました(東京大学渡辺安虎氏と共著)。大学病院における医師の働き手が突然変化した点で今回の「医師の働き方改革」と共通点が多く、分析からの示唆を寄稿しました。